2014年7月14日月曜日

処方箋に記名と押印しなくてはならない理由



処方箋への記入等については、薬剤師法(昭和 35 年法律第 146 号)第 26 条により、薬剤師は、調剤したときは、その処方箋に、調剤済みの旨、調剤年月日等を記入し、かつ、記名と押印し、又は署名しなければならないと規定されています。これは、以下の理由によるものです。


・薬剤師は、医師と独立した立場で、薬学的観点から患者の状態を対面で確認し、処方内容を適切にチェックした上で調剤を行うことで、患者が複数の医療機関を受診した時でも「重複投薬の防止」や、「相互作用の確認」など適切な服薬管理と説明を行う役割と責任を負っている。

・特に、処方箋により調剤される薬剤は、その効能・効果等において人体に対する作用が著しく、重篤な副作用が生じるおそれがあるため、こうした薬剤師の役割と責任の下で、それぞれの調剤に最終的な責任を有する薬剤師が誰であるかを明確にする必要がある(健康被害が生じた際には、これを処方した医師や調剤した薬剤師の刑事的な責任等が問われる場合もある)。




薬局では、記名の代わりに「調剤済み」と彫ってある名前入りのスタンプを使っておられるところがほとんどだと思います。

このスタンプの取扱について平成26年7月10日厚生労働省医薬食品局総務課より事務連絡が出されました。


薬局において調剤した薬剤師は、調剤済みである旨及び調剤した薬剤師の氏名が入ったスタンプを処方箋に押した場合は、調剤した薬剤師の氏名の記名を行ったものとして取扱い、この記名を別途しなくても差し支えない。

ただし、処方箋中に薬剤師氏名の記入欄があり、この記入欄への記名に代えて上記のスタンプを利用する場合は、この記入欄の近くにスタンプを押すなど、調剤した薬剤師が容易に分かるようにすること。

また、薬剤師の氏名の記名に代えて上記のスタンプを利用する場合であっても、調剤した薬剤師による押印は省略できない。