1989年にUNICEF/WHOは母乳育児成功のための10箇条を発表しています。
Unicef(ユニセフ)
母乳育児を成功させるための10か条
- 母乳育児の方針を全ての医療に関わっている人に、常に知らせること
- 全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること
- 全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法を良く知らせること
- 母親が分娩後30分以内に母乳を飲ませられるように援助をすること
- 母親に授乳の指導を充分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあっても母乳の分泌を維持する方法を教えてあげること
- 医学的な必要がないのに母乳以外のもの水分、糖水、人工乳を与えないこと
- 母子同室にすること。赤ちゃんと母親が1日中24時間、一緒にいられるようにすること
- 赤ちゃんが欲しがるときは、欲しがるままの授乳をすすめること
- 母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと
- 母乳育児のための支援グル-プ作って援助し、退院する母親に、このようなグル-プを紹介すること
2002年UNICEF/WHOは少なくとも生後6ヶ月までは母乳だけで育てて、その後は適切な食べ物を補いながら2歳かそれ以上まで母乳育児を続けることを推奨しています。
現在までに様々研究がなされ、母乳育児により乳児の健康だけでなく母親、家族、社会全体がその恩恵を受けられることが証明されてきました。
母乳によって乳児突然死症候群のほかに、肺炎、腸炎、中耳炎などの感染症やアレルギー疾患の発症率が下がることが明らかになってきています。
さらにIQが高くなるという報告もあります。
母親においては乳がんや卵巣がんの罹患率が下がるなどのメリットが有るようです。
Mitchell EA, et al.(1992)Four modifiable and other major risk factors for cot death: the New Zealand study.J Paediatr Child Health.;28 Suppl 1:S3-8.
Bachrach VR, et al(2003)Breastfeeding and the risk of hospitalization for respiratory disease in infancy: a meta-analysis.Arch Pediatr Adolesc Med.;157(3):237-43.
Lucas A, et al(1992)Breast milk and subsequent intelligence quotient in children born preterm.Lancet.1;339(8788):261-4.
Labbok MH (2001)Effects of breastfeeding on the mother.Pediatr Clin North Am.;48(1):143-58.
「断乳」という、無理やり乳離れをさせようとすることがあるようですがメリットはありません。
「卒乳」は赤ちゃんのタイミングで決めればいいのです。
大人の都合で決めてしまっては可愛そうです。
大人の都合で決めてしまっては可愛そうです。
科学的に証明された母乳のメリットを赤ちゃんから奪い取るなんて虐待に近いものがあります。
「母乳と母乳育児に関する方針宣言」(2012年改訂版)翻訳文(アメリカ小児科学会)
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