2014年6月25日水曜日

くすりのトリセツ ラメルテオン(ロゼレム)



ラメルテオン(ロゼレム)

特徴
メラトニン受容体作動薬。
最大血中濃度到達時間は1時間未満。
消失半減期は約1~2時間。
1日1回、8mgを就寝前に服用する。
臨床効果に用量依存性はありません。
消失半減期と作用持続時間は相関しません。


適応
不眠症における入眠困難の改善


禁忌
高度な肝機能障害のある患者さん。
フルボキサミンを投与中の患者さん。

相互作用
肝薬物代謝酵素CYP1A2で代謝されます。


副作用
特になし。
篤実に眠気やだるさ、頭痛などが出現することがあります。


作用機序
ラメルテオンは2010年に販売された、日本で開発されたメラトニン受容体作動薬です。
催眠作用をもたらすメラトニン1受容体と、
概日リズムの位相変動作用を有するメラトニン2受容体のみに選択的に作用することで、
自然に近い睡眠を誘導します。


ラメルテオンとベンゾジアゼピン受容体作動薬と比べると、睡眠導入効果は明らかに弱いです。

ベンゾジアゼピン受容体作動薬と作用機序が全く異なります。
離脱症状、リバウンド、依存、筋弛緩作用、健忘など全く持たないので
、リスクの高い高齢者でも安全に使用できることは特筆すべきことです。

さらに、概日リズム障害治療薬として、通常睡眠時刻の5~6時間前に投与することで、
概日リズム位相の前進に寄与することがわかっています。

この位相変動作用を期待し、ラメルテオンを使用する場合は投与量1~4mgがよいです。
いわゆる、昼夜逆転生活で夜型の若者の入眠困難、起床困難に対し、
ラメルテオン0.5錠で投与するケースがあります。


McGechan A, et al(2005)Ramelteon.CNS Drugs.;19(12):1057-65


Miyamoto M (2009)Pharmacology of ramelteon, a selective MT1/MT2 receptor agonist: a novel therapeutic drug for sleep disorders.
CNS Neurosci Ther. 2009 Winter;15(1):32-51.

Richardson GS, et al(2008)Circadian phase-shifting effects of repeated ramelteon administration in healthy adults.J Clin Sleep Med.;4(5):456-61.