2014年6月3日火曜日

統合失調症のグルタミン仮説




グルタミン酸
グルタミン酸は、20種類存在するアミノ酸の一つです。
タンパク質の構成原料です。
1980年代に、グルタミン酸が神経伝達物質として機能することが
明らかにされました。
脳の中には神経伝達物質は100種類以上あると言われています。
神経伝達物質には大きく分けると2つに分けることができます。
標的となる細胞の活動を
促進させるものを興奮性神経伝達物質、
減弱させるものを抑制性神経伝達物質といいます。

グルタミン酸は興奮性神経伝達物質の一つです。




多くの神経細胞がグルタミン酸を興奮性神経伝達物質として使っています。
大脳皮質全体に分布しています。
動物実験では、脳にグルタミン酸を注入すると痙攣が起きることがわかっています。







グルタミン酸仮説の契機

1973年アメリカで統合失調症で受診する患者さんが急増しました。

詳しく調査すると患者さんはフェンサイクリジンという薬物を
乱用していたことがわかりました。

フェンサイクリジンを乱用した人に特徴的な症状に
幻覚、妄想といった陽性症状だけでなく陰性症状も起きていました。
この、現象を解明すれば統合失調症の病態解明できると期待されています。




Javitt DC.(1987)Negative schizophrenic symptomatology and the PCP (phencyclidine) model of schizophrenia.Hillside J Clin Psychiatry. (1):12-35.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2820854