岡山大学は2014年5月22日、日本人から多く見つかる遺伝子型の菌から抗原を作成することで、従来、欧米人から分離された基準株などを元にしていた胃がんの原因であるピロリ菌の抗体検査試薬に比べ、感度と特異度がさらに向上した抗体検査薬の開発に成功したと発表しました。
ピロリ菌、見逃さない 岡山大が高精度検査薬開発(日経新聞2014.5.22)
日本人由来の抗原で測定精度が向上-ピロリ菌抗体診断薬の改良-
今回、発表の試薬は恐らく和光純薬の「スフィアライトH.ピロリ抗体・J」でしょう。和光純薬との共同研究のようですし。
血清抗体の測定には種々のキットが発売されています。昔のキットの大部分は欧米から輸入されたもので、使用されている抗原も欧米人由来でした。菌株は人種、地域により異なっているので開発された国の成績に比べ日本では感度が劣ることが示されています。
日本人の抗体測定には日本人由来の菌から作られた抗体の使用が望ましいのです。
各試薬メーカーさんも努力して、日本人由来の抗原を使った抗体試薬の開発を行っています。
早くから開発に着手し、代表的なものは以下です。
・Eプレート‘栄研’ピロリ抗体2