乳離は赤ちゃんが決めるものであって大人が決めるものではありません
虫歯の原因となるので母乳を早くやめさせよう。断乳しようというお母さんがいるようです。
しかも、歯医者にもこういうことを言うトンデモな方がいらっしゃるので驚きです。
これは、大きなマチガイです。
虫歯の発症には様々な因子が関わっていて、母乳育児を続けるだけでは虫歯にはなりません。
虫歯にはミュータンス菌、糖質、歯や唾液の状態といった
3つの要因が存在して、時間が経過することで発症します。
3つの要因が存在して、時間が経過することで発症します。
第一段階:ミュータンス菌が最初に口腔内に感染します。
第二段階:ミュータンス菌がおやつや飲料などの糖質を分解してグルカンを産生します。
第三段階:グルカンが歯に付着して歯垢を形作ります。
第四段階:歯垢内部のミュータンス菌がさらに、入ってきた糖質により酸を作ります。
第五段階:酸が歯を溶かします。
最終段階:虫歯になります。
虫歯の発症には母乳中の糖質だけではなく、ミュータンス菌と歯垢の存在が必須なのです。
さらに、その状態が長時間持続することが必要です。
さらに、その状態が長時間持続することが必要です。
歯が生えてくる頃の乳児の栄養は母乳よりも他の食べ物による場合が多いはずです。
この点からも母乳だけで虫歯になるとはいえません。
むし歯と母乳の関係を調べた日本における研究があります。
これによると、2歳の時点で母乳を長期間飲んでいた乳幼児群は
断乳した群と比べて、むし歯になった子供も
平均したむし歯の数も統計的に有意に多かったという結果でした。
しかし、この研究をもって、
母乳が虫歯の原因とはいえないのです。
なぜかというと、各群の生活習慣をみたとき、
母乳群では「間食の時間が決まっていない」が統計的に有意に高かったそうです。
母乳群では「間食の時間が決まっていない」が統計的に有意に高かったそうです。
また、両群ともに歯磨きが適切に行われていたかどうか定かではないため、
母乳が虫歯の原因かどうかはこれだけでは分かりません。
母乳が虫歯の原因かどうかはこれだけでは分かりません。
山本誠二, ら(2001)長期の母乳授乳が乳幼児口腔内状態および生活習慣に及ぼす影響について.小児歯誌, 39(4); 884-889.
卒乳(断乳)時期とむし歯の関係(厚生労働省:e-ヘルスネット)
母乳育児をするシナイにかかわらず、
適正に歯磨きをすることが大事なのは言うまでもありません。
適正に歯磨きをすることが大事なのは言うまでもありません。
今井 美行
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