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2014年6月11日水曜日

抗うつ薬の作用機序はまだ仮説にすぎない




日本で使用可能な抗うつ薬の
三環系抗うつ薬や四環系、トラゾドン、SSRI,SNRI,NaSSAの
作用機序はすべて、モノアミン仮説にもとづいています。

抗うつ薬は
モノアミン類に分類される脳内神経伝達物質の
セロトニン(5-HT)、ノルアドレナリン(NA)、ドパミン(DA)の
再取り込みを阻害しシナプス間隙におけるこれらの伝達物質の濃度を
増加させることにより神経伝達を強化し、
抗うつ作用を発揮すると考えられています。


抗うつ薬を飲んで
頭のなかでモノアミンの再取り込み阻害作用が発揮されるのは
数時間~数日程度と言われています。

しかし、実際に抗うつ薬が抗うつ効果を発揮するには、2~4週間を要します。


このことから、以下の可能性が指摘されています。
神経伝達物質の強化のみならず
その後の受容体感受性の変化や
抗うつ薬によって誘導されるセカンドメッセンジャー系の変化が
抗うつ薬の抗うつ作用の本質であるということです。


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モノアミン仮説以外の作用機序を持つ薬剤

現在開発中の抗うつ薬にagomelatine(アゴメラチン)があります。
この物質は、メラトニンMT1/MT2受容体刺激作用と
5-HT2R/2C受容体阻害作用を持っています。

抑制性ニューロンを抑制して抗うつ作用を示すと考えられています。


石郷岡 純(2010)今後の抗うつ薬開発への期待、臨床精神薬理 第13巻10号

agomelatineは2009年2月24日にEUで承認されて、
Servier Laboratories社からValdoxanの商品名で発売されています。

agomelatine(Valdoxan)欧州医薬品庁資料