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2014年5月5日月曜日

尿路結石予防するには、摂取する水分に注意する。





尿路結石の患者さんからの質問
「先生には水分を多く摂れといわれたが、どの程度とればいいのか?水分なら何を飲んでもいいのか?」


おしっこの量、尿量が低下していると尿路結石になりやすいと言われています。
尿量を増加させることによって、結石成分や発生原因にかかわらず予防となることが示されています。

どの程度、水分を摂ればいいのでしょうか。

予防に必要な1日のおしっこの量は2000mL以上。シスチン尿症では2500mL 以上とされています。
これだけのおしっこをするには相当の水分を取らなくてはなりません。
目安は、食事以外に1日2~2.5Lの水分を取る必要があります。

また、摂る水分の種類にも注意が必要です。



飲み物の種類によっては結石の素となる成分を多く含んでいます。

コーヒー、緑茶、紅茶はシュウ酸。

炭酸飲料やソフトドリンクは高濃度のリン酸。

アルコール類はリン酸、シュウ酸、プリン体を含み、
さらに尿を濃縮してしまうので推奨できません。



推奨されるのは、
お茶類ではシュウ酸が少ないので麦茶やほうじ茶。

そして、水。
カルシウムなどを含むミネラルウォーターについては、
影響はそれほどないと言われています。



日本尿路結石症学会 編 尿路結石症のすべて(医学書院)

図説 新しい尿路結石症の診断・治療



では、頻尿でお困りの患者さんで
尿路結石予防のために水分を摂取しなければならない場合どうすればいいのでしょうか。

頻尿の原因に多尿があります。多尿の定義は24時間尿量が40mL/kgです。
体重50kgの人で1日のおしっこの量が2000mLを超えると多尿となります。
尿路結石の予防に有効な尿量と多尿となる尿量はほぼ同じであるので、
予防のための水分摂取によって引き起こされる頻尿は避けられない場合があります。

対策はとしては、
頻尿の原因が多尿のためなのかどうかを確認する必要があります。
原因となる他の病気、
(尿崩症、中枢神経疾患、心不全、腎機能障害、糖尿病、高血圧、薬剤性)などがなく、
水分摂取による多尿が原因と考えられる場合は、

目標を1日2Lに留めて、夜間トイレにいくことがないように
就寝2時間前からは水分摂取を控えるとよいでしょう。

尿路結石の成分、原因に対して食事や原因病態の治療が適切にされていて、
さらに現時点で結石を有していなければ、1500mL程度にしてもよいでしょう。

しかし、1000mL以下にすることは、結石形成の危険度が増えるので、やってはいけません。

頻尿の原因が膀胱蓄尿障害による場合は、
原因として考えられる過活動性膀胱、前立腺肥大症、間質性膀胱炎が
あればそれぞれの治療を行う必要があります。




夜間頻尿診療ガイドライン
日本排尿機能学会
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