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2014年5月21日水曜日

肺がん治療薬の変遷





2002年ゲフィチニブ(イレッサ)が承認されました。
そして2004年、EGFR遺伝子変異が発見され10年余りが経過しました。

現在、EGFR遺伝子変異陽性肺がんのオーダーメード医療が進展しています。
日本において2013年にエルロチニブ(タルセバ)がEGFR遺伝子変異陽性肺がんの初回治療に適応が拡大されました。
2014年1月には、次世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬のアファチニブ(ジオトリフ)が承認されました。

アファチニブは耐性2次変異T790MおよびErbB受容体ファミリーを不可逆的に阻害します。LUX-Lung3試験では、初回治療においてアファチニブ群ではシスプラチン/ペメトレキセド群と比較して、無増悪生存期間を有意に改善しました。

今後は、エルロチニブとアファチニブの使い分けが臨床上の議論になるでしょう。

Sequist LV, at al(2013)Phase III Study of Afatinib or Cisplatin Plus Pemetrexed in Patients With Metastatic Lung Adenocarcinoma With EGFR Mutations:J Clin Oncol. ;31(27):3327-3334


2007年、EML4-ALK融合遺伝子が発見されました。
2012年にはALK阻害薬クリゾチニブ(ザーコリ)が承認されました。

第二世代ALK阻害薬として、CH5424802(アレクチニブ)、LDK378などが開発中です。

アレクチニブはクリゾチニブに比べ、選択的でより強いALK抑制効果を有し、耐性二次変異に対しても効果を有します。国内で実施された治験では化学療法前治療歴のあるALK陽性肺がんにおいて、奏効率94%、1年無増悪生存期間83%と良好な抗腫瘍効果が得られています。

Seto T, et al(2013) CH5424802 (RO5424802) for patients with ALK-rearranged advanced non-small-cell lung cancer (AF-001JP study): a single-arm, open-label, phase 1-2 study.:Lancet Oncol. Jun;14(7):590-8.

今後、新しい分子標的薬の登場によって肺がん治療はますます進歩していきます。