最近、CMなどでよく耳にする「二の腕のプツプツ」これは一体何なのでしょうか。
これは、毛孔性角化症という病気です。別名、毛孔性苔癬(もうこうせんたいせん)ともいいます。
症状として
毛穴と同じ位置に1~3mmの小さなぶつぶつが現れます。ときに炎症を伴い赤いブツブツができることもあります。炎症が軽快した後も色素が長く残ることもあります。
思春期によくみられます。そのためニキビと間違われることもあります。軽症も含めると3人に1人の割合で見られるもので、珍しい病気ではありません。
二の腕によく見られますが背中の広範囲に出現する例もあります。
治療は尿素軟膏(ケラチナミン等)やビタミンD3の塗り薬を使います。サリチル酸ワセリンの外用を使用することもあります。通常、思春期を過ぎると自然に消えてしまいます。
抗菌薬内服や外用は効果がありません。
(以下は医療関係者向けの内容です)
漢方薬で対処することも可能です。
瘀血の兆候(軽い便秘とともに月経不順)を伴う、毛孔性苔癬のある患者さんには桂枝茯苓丸加薏苡仁が著効したという報告があります。治療には1年程度要したそうです。
桂枝茯苓丸加薏苡仁は桂枝茯苓丸に薏苡仁の作用が加わり相乗効果があると考えられます。薏苡仁には水を巡らせ、抗炎症・抗ウイルス・抗角化効果があります。
瘀血状態からは皮膚の角化亢進が起こると考えられています。瘀血のため皮膚がかさつく・乾燥する・硬くなる・毛穴が目立つ・疣贅・脂漏性角化症などの角化を伴う疾患群には使ってみる価値があると考えられます。
しかし、大量内服には注意しましょう。
桂枝茯苓丸と薏苡仁は腸管水分の吸収を促し、やや便秘傾向を訴える場合があります(下痢傾向になることも)。また、薏苡仁の油脂成分があるため大量に内服するとニキビの一過性の悪化がみられることがあります。