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2014年4月30日水曜日

附子製剤の劇薬指定について



コタローの麻黄附子細辛湯エキスカプセルは劇薬に指定されているのに、ツムラの麻黄附子細辛湯は劇薬に指定されていません。ナゼでしょう。

劇薬と生薬成分については薬事法施行規則別表三(第二百四条関係)に記載があります。
附子に含まれるアコニチンが劇薬成分に該当します。いわゆる、トリカブトの成分です。


アコニチンを含有する生薬及びその製剤。ただし、注射剤以外の製剤であって1個中アコニチンとして0.01mg以下を含有するものを除く。


アコニチンの量に違いがあるのでしょうか?
メーカーに聞いてみました。

【ツムラ】
附子が含まれるが、火で炙ることでアコニチンが別の物質に変わっているので劇薬には該当しない。他のメーカーもつくりかたは同じなのになぜ劇薬にされているかは分からない。

【コタロー】
昔の基準では、劇薬に該当していたのでそのままになっている。今の基準では劇薬には該当しない。


なんとも事務的な理由だったのですね。


麻黄附子細辛湯以外にも附子含有製剤では同様の例があります。


■劇薬指定漢方製剤

三和 葛根加朮附湯エキス細粒
オースギ 桂枝加苓朮附湯エキスG
クラシエ 桂枝加苓朮附湯エキス細粒
JPS 桂枝加朮附湯エキス顆粒〔調剤用〕
コタロー 桂枝加朮附湯エキス細粒
テイコク 桂枝加朮附湯エキス顆粒
三和 桂枝加朮附湯エキス細粒
三和 桂芍知母湯エキス細粒
JPS 真武湯エキス顆粒〔調剤用〕
コタロー 真武湯エキス細粒
三和 真武湯エキス細粒
三和 大防風湯エキス細粒
三和 当帰芍薬散加附子エキス細粒
コタロー 八味丸料エキス細粒
テイコク 八味丸エキス顆粒
本草 八味丸料エキス顆粒-M
JPS 八味地黄丸料エキス顆粒〔調剤用〕
オースギ 八味地黄丸料エキスG
クラシエ 八味地黄丸料エキス細粒
三和 八味地黄丸料エキス細粒
八味地黄丸料エキス顆粒T
三和 附子理中湯エキス細粒
コタロー 麻黄附子細辛湯エキスカプセル
三和 麻黄附子細辛湯エキス細粒
三和 芍薬甘草附子湯エキス細粒

2014年4月29日火曜日

ヘルベッサー 投与早見表



ドクターからの依頼でヘルベッサーの体重投与速度早見表を作ってみました。

ヘルベッサーの濃度は100mg/50mLですのでご注意ください。



ペルジピンの投与早見表も作ってみました。






後日、MRに聞いてみたところ、メーカーでポケットサイズの早見表を作っていらっしゃいました。

アブストラルを使ってみて感想




■アブストラル舌下錠 使い方の注意 
http://yakuza-14.blogspot.jp/2014/04/blog-post_82.html

アブストラルを実際に使用している患者さんに感想を聞いてみました。


※患者さん個人の感想です。効果等を宣伝、誇張するものではありません。

・すぐ溶ける 
・早く溶けるので便利 
・1分くらいで溶ける。3分あれば完全になくなる。 
・舌の中に入れるのはちょっと大変。 
・どんどん溶けていく感じがする。 

・甘みがあっていい 
・オプソより味に癖がない 

・効いた感がある 
・痛みがスーッと無くなる感じ 

・出かけるときも安心して使用できる。 

・オプソより眠気がない気がする。 
・就寝前はオプソのほうがよく眠れる。 
・歯がないので舌の中にとどめておくのが難しい。 
・指が湿っていると、指に薬がくっつくのでうまく舌に入れられない。


アブストラルが向いているのは、


以下の理由から従来のレスキュー製剤の使用が困難な症例
 ・腎機能障害、肝機能障害を有する患者さん 
 ・便秘、悪心、病状の進行に伴う腸閉塞の危惧を有する患者さん 
 ・副作用が強く使用が困難な患者さん

嚥下困難などで経口摂取ができない患者さん

早い鎮痛を希望する患者さん



アブストラルでこれだけは注意したいこと


患者選択

  オピオイドを使用したことの無い患者さんや非がん性の急性疼痛・術後痛患者さんなどには使用しないこと。使用の必須条件は、強オピオイドを定時投与していること。

1回投与量

  上限があります。1回の最大投与量は800μg(200μg×4)です。これ以上は処方しないこと。

使用回数と間隔

  使用回数に制限があります。レスキューとして1日4回までの突出痛にしようできます。使用間隔は2時間あけること。

製剤の代用

  フェンタニルのバッカル錠であるイーフェン錠とアブストラルを相互に代用することはできません。製剤を切り替える場合は改めて最初からタイトレーションを行う必要があります。

副作用

  COPD、重症筋無力症、高齢、悪液質など呼吸抑制の素因なある症例は特に注意します。



アブストラルとオキノーム、オプソの違い



アブストラル舌下錠 使い方の注意




■アブストラルを使ってみて感想 
http://yakuza-14.blogspot.jp/2014/04/blog-post_98.html



アブストラルの使用法として、まず、至適投与量の決定についてです。
ベースとなるオピオイド薬の投与量には関係なく、100μgからタイトレーションを行います。
アブストラル100μg投与後に痛みがなければここで対とレーションは終了です。

痛みが継続する場合は、30分後に同じ規格の製剤を1回のみ追加投与できます。
ここで、痛みの改善が認められればタイトレーションは終了です。


最低投与間隔は2時間です。
追加投与した場合は初回投与時間から2時間後です。
1日最大4回までという使用回数制限があります。
追加投与はカウントしません。

追加投与を含めると1日8回投与可能となりますが、
誤解してはいけないのが、1日8回の突出痛に使用できるわけではないのです。

1日に使用できる突出痛は4回のみです。


1日4回以上突出痛が出現する場合は持続投与のオピオイド増量を考慮します。
しかし、短絡的に増量を行うのはよくありません。

神経障害性疼痛や心因性疼痛などオピオイドが効きにくい痛みの有無や病状の変化などを考慮し、評価をして慎重に対応したほうが良いです。


1回投与量は800μgを超えてはいけません。
1回投与できる錠数も4錠までと決められています。
誤使用防止のためにも含量の異なるものを同時に処方することはできません。


副作用

他のオピオイド製剤と同様に、呼吸抑制があります。
モルヒネ・オキシコドンに比べ呼吸抑制に対する安全域が狭いという報告があります。
これは、タイトレーションが必要な理由の一つになっています。

Nakamura A, et al.(2011)Distinct Relations Among Plasma Concentrations Required for Different Pharmacological Effects in Oxycodone, Morphine, and Fentanyl:J. Pain Palliative Care Pharmacother.,25.318-334


2014年4月28日月曜日

アブストラル舌下錠




■アブストラル舌下錠 使い方の注意 
http://yakuza-14.blogspot.jp/2014/04/blog-post_82.html 
■アブストラルを使ってみて感想 
http://yakuza-14.blogspot.jp/2014/04/blog-post_98.html


アブストラル舌下錠は舌の下でお薬を溶かし吸収させるお薬です。ガンの急な痛みを止めるお薬として使用されます。いわゆるレスキュー薬です。(2013年12月発売)

飲み込むのが苦手な患者さんや、痛くて飲んでられない人にピッタリのお薬なのですが、ちょっとなれるまで大変です。

【用量調節期】
1回の突出痛に対して、まずは100μgを投与します。
痛みが取れない時は症状に応じて、100、200、300、400、600、800μgの順に一段階ずつ調節します。
患者さんの痛みにあった用量を決定します。

投与して、痛みが取れない時に追加する場合は30分以上間を空けなくてはいけません。

その際、追加増量は同一用量までです。200μgで痛みが取れず増量するときは、100μgか200μgまでということです。

【維持期】
用量を決めた後の維持期には、1回の突出痛に1回投与します。
1回用量の上限はフェンタニルとして800μgまでです。
前回の投与から2時間以上の投与間隔をあけ、1日あたり4回以下の突出痛に対する投与にとどめます。

1日に4回を超える突出痛の発現が続く場合には、ベースの鎮痛薬の増量を検討します。


添付文書にも 
「1日に4回を超える突出痛の発現が続く場合には、ベースの鎮痛薬の増量を検討すること」と書いてあるのでドクターにも処方提案しやすくなりました。面倒な薬ですが、慣れると便利な薬です。




2014年4月24日木曜日

ルセフィ錠の粉砕可否



ルセフィ錠の粉砕についてメーカーは推奨しないとのことです。

ルセフィ錠の粉砕時データとして以下があります。
75%RHおよび90%RHの条件下において8週間変化はありませんでした。
光に関して3000Lux以上照射(期間不明)において類縁物質が上昇したというデータが有ります。
通常の貯法も遮光保存となっているので、光には十分注意したいですね。


また、一包化については以下の条件で2ヶ月間試験しており。変化は見られず一包化は可能との見解を得ています。
25℃、60%RH、遮光
25℃、75%RH、遮光
25℃、90%RH、遮光
40℃、75%RH、遮光
(但し、多剤との一包化はしていない)



【関連情報】
ルセオグリフロジン(ルセフィ)の特徴

ルセオグリフロジン(ルセフィ)の特徴



ルセオグリフロジンについてのメーカープロモーション内容です。
勉強会をまとめてみました。

ルセフィ錠の名前の由来
ルセオグリフロジンはラテン語の「光り輝く」を意味するLuceoに由来しています。ルセフィはuseogliflozin + Fine =Lusefi だそうです。

作用機序
他のSGLT2阻害薬と同様です。腎臓でグルコースの再吸収を担う輸送隊のSGLT2を選択的に阻害し、過剰なグルコースをおしっこに排泄することで血糖を低下させます。

SGLT2選択性
ルセオグリフロジンのSGLT2選択性はSGLT1比1600倍という報告があります。

【参考】
デベルザ/アプルウェイのSGLT2選択性はSGLT1の2900倍


外観に特徴
ルセフィ錠は錠剤に「ルセフィ」と刻印されています。薬剤識別に便利です。誤飲防止にもつながります。
錠剤の大きさが小さめで飲みやすいです(直径7.1mm 厚さ3.2mm)

保存方法
ルセフィ錠は遮光保存です。分包する時には光に注意しましょう。

肝障害に関して
添付文書の慎重投与に「肝障害のある患者」の記載がありません。



最後の肝障害に関してはMRは、安心して使えますと言っていましたが、安全とは言いがたいでしょう。考えれば分かることです。

肝障害の患者へ投与は、記載がありませんが重度の肝障害を起こしている肝臓では糖新生の能力が低下していることが予想されます。その状態では服用した場合低血糖を起こすリスクが高まりますので、他のSGLT2阻害薬同様に注意が必要と考えられます。



【関連情報】
ルセフィ錠の粉砕可否



2014年4月23日水曜日

二の腕のブツブツ 毛孔性苔癬かもしれません。




最近、CMなどでよく耳にする「二の腕のプツプツ」これは一体何なのでしょうか。
これは、毛孔性角化症という病気です。別名、毛孔性苔癬(もうこうせんたいせん)ともいいます。

症状として
毛穴と同じ位置に1~3mmの小さなぶつぶつが現れます。ときに炎症を伴い赤いブツブツができることもあります。炎症が軽快した後も色素が長く残ることもあります。
思春期によくみられます。そのためニキビと間違われることもあります。軽症も含めると3人に1人の割合で見られるもので、珍しい病気ではありません。

二の腕によく見られますが背中の広範囲に出現する例もあります。


治療は尿素軟膏(ケラチナミン等)やビタミンD3の塗り薬を使います。サリチル酸ワセリンの外用を使用することもあります。通常、思春期を過ぎると自然に消えてしまいます。
抗菌薬内服や外用は効果がありません。



(以下は医療関係者向けの内容です)

処方されたセレギリン(エフピー)を持って海外旅行へ行けますか。



海外旅行等の際に、自分の病気の治療目的や予防目的で医薬品を携帯することは認められています。ただしセレギリン塩酸塩(エフピー)は覚せい剤原料であるため「覚せい剤取締法」の規定により、医療用の医薬品であっても携帯による輸入・輸出はできません。

【覚せい剤取締法より一部抜粋】
(輸入及び輸出の制限及び禁止)
 第三十条の六 覚せい剤原料輸入業者が、厚生労働省令の定めるところにより厚生労働大臣の許可を受けて、その業務のため覚せい剤原料を輸入する場合のほかは、何人も、覚せい剤原料を輸入してはならない。
2 覚せい剤原料輸出業者が、厚生労働省令の定めるところにより厚生労働大臣の許可を受けて、その業務のため覚せい剤原料を輸出する場合のほかは、何人も、覚せい剤原料を輸出してはならない。
3 覚せい剤原料輸入業者又は覚せい剤原料輸出業者は、前二項の規定により覚せい剤原料の輸入又は輸出の許可を受けようとするときは、厚生労働省令の定めるところにより、その業務所の所在地の都道府県知事を経て厚生労働大臣に申請書を出さなければならない。
 
【参考】
フルニトラゼパム(サイレース)をアメリカに持ち込むと捕まります

麻薬を海外へ持って行くには

フルニトラゼパム(サイレース)をアメリカに持ち込むと捕まります。





海外旅行等の際に、自分の病気の治療目的や予防目的で医薬品を携帯することは認められています。


ただし、向精神薬を携帯する場合には、旅行へ行く国により法規制が異なり持込みが禁止や制限されていることがあるため、渡航先国の在日大使館等に問い合わせ、トラブル等の発生のないように注意する必要があります。




例えば、日本では一般的に処方されているフルニトラゼパム(サイレース、ロヒプノール等)は、米国では持ち込みが禁止されています。







向精神薬の場合は、携帯する剤形や量により手続きが異なります。書類の所持が必要な場合もあります。

例えば、マイスリー錠5mgは60錠以上持ち込む場合、書類が必要です。




「麻薬及び向精神薬取締法施行規則」で、携帯できる向精神薬の成分と総量が定められています。


これは特定の患者が自分の治療目的で施用するため向精神薬を携帯せざるを得ない場合に、本人が携帯して行う輸入・輸出に適用されるものです。


郵便や知人等に託して向精神薬を輸入・輸出することはできません。




【麻薬及び向精神薬取締法より一部抜粋】

(輸入)
第 50 条の 8
次に掲げる者でなければ、向精神薬を輸入してはならない。
1 向精神薬輸入業者
2 本邦に入国する者のうち、自己の疾病の治療の目的で向精神薬を携帯して輸入する者であつて厚生労働省令で定めるもの
3 向精神薬試験研究施設設置者であつて、学術研究又は試験検査のため向精神薬を輸入するもの
4 その他厚生労働省令で定める者

(輸出)
第 50 条の 11
次に掲げる者でなければ、向精神薬を輸出してはならない。
1 向精神薬輸出業者
2 本邦から出国する者のうち、自己の疾病の治療の目的で向精神薬を携帯して輸出する者であつて厚生労働省令で定めるもの
3 向精神薬試験研究施設設置者であつて、学術研究又は試験検査のため向精神薬を使用する者に向精神薬を輸出するもの
4 その他厚生労働省令で定める者



「麻薬及び向精神薬取締法施行規則」で定められた量より少ない場合。


手続き不要 は不要です。

しかし、出入国時の無用なトラブル回避のため書類を所持したほうがよいでしょう。




「麻薬及び向精神薬取締法施行規則」で定められた量を超える場合。


書類が必要です。

しかし、麻薬と異なり地方厚生(支)局長許可証は交付されません。




上記の「書類」とは

自分の病気の治療のために向精神薬を携帯して輸入・輸出することが、特に必要であることを証する書類です。


例えば、「処方せんの写し」や 「患者の氏名及び住所並びに携帯を必要とする向精神薬の品名及び数量を記載した医師の証明書」のことです。



つまり、そのお薬を処方しているお医者さんに作って貰う必要があります。







・米国入国時における税関国境保護局による検査について~個人荷物の安全な持ち込みのために(日本貿易振興機構)
http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07000702/usa_immigration.pdf





【参考】

麻薬を海外へ持って行くには


処方されたセレギリン(エフピー)を持って海外旅行へ行けますか。

2014年4月22日火曜日

麻薬を海外へ持って行くには



海外旅行等の際に、自分の病気の治療目的や予防目的で医薬品を携帯することは認められています。ただし、医療用麻薬を携帯する場合には、旅行へ行く国により法規制が異なり持込みが禁止や制限されていることがあるため、渡航先国の在日大使館等に問い合わせ、トラブル等の発生のないように注意する必要があります。

日本からの出国又は日本への入国する際の手続きについては、事前に地方厚生(支)局長の許可を受ける必要があります。

麻薬は、「麻薬及び向精神薬取締法」において厚生労働大臣の許可を受けた麻薬輸入業者(麻薬輸出業者)でなければ、輸入・輸出することができないと定められています。

ただし、自身の病気の治療目的(麻薬中毒の治療の目的は除く。)で、麻薬を使っている人が出入国する場合は、事前に、地方厚生(支)局長の許可を受ければ、麻薬を携帯して輸入・輸出することができます。

なお、麻薬携帯輸入(輸出)の許可は、許可を受けても麻薬を郵便や知人等に託して輸入・輸出することはできません。必ず申請した患者本人が携帯して輸入・輸出しなければなりません。

【麻薬及び向精神薬取締法より一部抜粋】
(輸入)
第 13 条
 麻薬輸入業者でなければ、麻薬(ジアセチルモルヒネ等及び前条第二項に規定する麻薬を除く。以下第十九条の二までにおいて同じ。)を輸入してはならない。ただし、本邦に入国する者が、厚生労働大臣の許可を受けて、自己の疾病の治療の目的で携帯して輸入する場合は、この限りでない。
2 前項ただし書の規定により麻薬を携帯して輸入した者は、第二十四条第一項ただし書、第二十七条第一項ただし書及び第二十八条第一項 ただし書の規定の適用については、麻薬施用者から施用のため麻薬の交付を受けた者とみなす。
(輸出)
第 17 条 麻薬輸出業者でなければ、麻薬を輸出してはならない。ただし、本邦から出国する者が、厚生労働大臣の許可を受けて、自己の疾病の治 療の目的で携帯して輸出する場合は、この限りでない。 

申請手続きに必要な書類等について
・「携帯による医療用麻薬等の輸入・輸出手続きに関する手引き」(厚生労働省地方厚生局麻薬取締部「麻薬取締官」) 
(1)申請手続き
  1)申請に必要な書類
   ①医師の診断書 1 部:患者(申請者)の住所、氏名、麻薬の施用を必要とする理由(病名)、1 日当たりの麻薬処方量を記載した診断書
   ②麻薬携帯輸入許可申請書 1 部(日本に医療用麻薬を携帯して入国する場合)
   ③麻薬携帯輸出許可申請書 1 部(日本から医療用麻薬を携帯して出国する場合)
   ④返信用封筒 1 枚
   (②、③については原則として、麻薬を施用されている患者本人が申請書に記入しますが、種々の事情により医師または患者の家族等が代 筆しても差し支えありません。)
  2)提出先
   ①申請者の住所を管轄する地方厚生(支)局麻薬取締部
   ②入院中の場合は、病院・診療所の所在地を管轄する地方厚生(支)局麻薬取締部(前記①でも差し支えありません。)
   ③海外在住の場合は、入国予定の空港等を管轄する地方厚生(支)局麻薬取締部
   3)提出期限 申請書の送付及び許可書の送付に要する期間を考慮し、出国日又は入国日の 2 週間前までに提出してください。

(2)申請書の作成要領 (略)
(3)許可書等の提示
申請書類に不備がなく、許可が行われた場合には、麻薬携帯輸入(輸出)許可書(日本語で記載されたもの)と麻薬携帯輸入(輸出)許可証明書 (英語で記載されたもの)の各 1 通が交付されます。入国(出国)時に税関で、これらの許可書を提示してください。
もし、申請から出入国日までに時間的余裕がない場合には、必ず地方厚生(支)局麻薬取締部に直接電話等して相談してください。

医療用麻薬適正使用ガイダンス~がん疼痛治療における医療用麻薬の使用と管理のガイダンス~(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/2012iryo_tekisei_guide_073.pdf 




2014年4月18日金曜日

長期の旅行等の長期投与について



新医薬品、麻薬、向精神薬については、投薬期間に上限があります。

ゴールデンウィークや年末年始、海外渡航などの特別な理由がある場合の長期投与について。

 

長期の旅行等特殊の事情がある場合。

・海外への渡航

・年末・年始

・ゴールデンウィークのような(法定の)連休等

休診等のため受診困難な場合の緊急避難的な措置として


1回14日分を限度とされている内服薬又は外用薬について、必要最小限の範囲において、1回30日分を限度として投与が認められています。


この際、保険医は処方せんの「備考」欄に限度を超えて投与する「理由」を記載し、保険薬局は明細書の「摘要」欄へ処方せんの備考欄に記載されている長期投与の「理由」を転記します。


通常1回30日分もしくは90日分を投与限度とされている内服薬又は外用薬については、たとえ特殊な事情があったとしても、保険請求上、それを超えて投与することは、認められていません。


・内服薬及び外用の投与量について 内服薬及び外用の投与量について  (平14 保医発第0404001号)

・「診療報酬請求書等の記載要領について 」一部改正(平26保医発0326 第3号)

女性にユリーフが処方されてる?



見るからに女性の患者さんにユリーフが処方されていました。ユリーフは前立腺肥大症に伴う排尿困難に処方されるお薬です。なので、前立腺のない女性には処方されるはずのないものなのです。

特殊な使い方でもあるのかと、考えまして、先輩に聞いてみると
「あー、あのひとオネエだから。疑義いらないよ」

ほー。。。

女性の排尿障害には確かウラピジル(エブランチル)がファーストだったよなと思いつつ、調べてみました。


女性の排尿障害には、尿道の通過障害、膀胱頸部の閉塞、排尿筋収縮力の低下、間質性膀胱炎、そして原因不明の尿閉など様々な病態が存在します。それぞれに応じた治療法が必要です。

典型的な機能的異常の尿路閉塞症例に対しては、薬物療法としてα1ブロッカーのウラピジルが有効とするデータがあります。ウラピジルは日本でで唯一「神経因性膀胱」の適応を持つα1ブロッカーです。ほかの排尿障害治療薬とはちがい、女性の排尿障害にも使用できます。

膀胱の排尿筋収縮力が低下している場合には、臭化ジスチグミンなどのコリンエステラーゼ阻害薬の効果が期待できます。機能的下部尿路閉塞と排尿筋収縮力の低下がどちらも認められる症例には、ウラピジルとコリンエステラーゼ阻害薬が併用されます。

機能的下部尿路閉塞と排尿筋収縮力の低下のどちらかわからない場合には、とりあえず安全に使用できるウラピジルを第一選択として、投与し経過をみるという考え方もあるようです。

女性の排尿障害は珍しいという印象をお持ちだと思います。でも、実は女性の下部尿路症状症候群の3分の1は排尿障害なのです。

女性の排尿障害をもつ患者さんのほとんどが、頻尿や尿失禁などを自覚して医療機関を受診しています。そのため、それらの訴えの背後に隠されている排尿障害の症状に気付かれず、医師から見逃されやすいのが現状です。
患者さんとの信頼関係にも影響を及ぼしかねないデリケートな病気ですが、患者さんから情報を聞き出して適切な治療が受けられるようにしてあげたいですね。

平成26年4月 予防接種実施要領の一部改正



平成26年4月から、4種混合(第1期)、日本脳炎(第1期)、ヒブ予防接種について、接種間隔が緩和される予防接種実施要領の一部改正がありました。小児肺炎球菌ワクチンのスケジュール変更も行われています。

 定期接種実施要領(抄) 新旧対照表

予防接種実施規則の一部を改正する省令の施行等について


例)日本脳炎ワクチンの場合
<改正前>6日以上28日までの間隔をおいて2回
<改正後>6日以上(標準的には28日まで)の間隔をおいて2回

要するに、2回目の接種日が前回接種から30日間隔が空いていたとしても定期接種として認められ公費で接種できるというわけです。


接種間隔上限撤廃で有効性・安全性に影響があるのか心配ですが一般的に推奨されている接種スケジュールより間隔が開いてしまっても最終的な抗体産生量が有意に減少することはないとされています。

2014年4月17日木曜日

C型肝炎の治療法選択



C型肝炎の治療では以下2点が考慮されます。
1)ペグインターフェロン・リバビリン併用療法が可能か
2)肝臓の線維化(肝硬変)が進んでいるか


C型肝炎の治療成績はここ数年ジェノタイプ1型で飛躍的に向上しています。インターフェロン療法が登場した1992年では5%のウイルス排除率でしたが、ペグインターフェロン・リバビリン併用療法で約50%、昨年発売されたシメプレビル・ペグインターフェロン・リバビリン併用療法では90%近くまで向上しています。


C型肝炎の治療法選択
ウイルスの型や量によって治療法が異なります。

ジェノタイプ2型への抗ウイルス療法は、ペグインターフェロン・リバビリン併用療法が基本です。ただし、初回治療かつHCV RNAが5.0logIU/mL未満(ウイルス量が少ない)の場合に限りインターフェロン単独療法が適応となっています。


ジェノタイプ1型に関してはウイルス量が少ない場合に限りインターフェロン単独療法が行われます。しかし、その他の場合は、ペグインターフェロン・リバビリン・シメプレビルの3剤併用療法が第一選択となります。

日本肝臓学会の治療ガイドラインでは
抗ウイルス療法中にHCV RNAが陰性化しなかった治療無効例で肝硬変になっていない(肝臓の線維化非進展例)場合の再治療ではペグインターフェロン・リバビリン・テラプレビルの3剤併用療法も可能であるとされています。
また、65歳未満の肝硬変に至っていない肝線維化非進展例では「待機」も可能と定めています。

「待機」とは、インターフェロンを使わない開発中の治療薬の登場を待つことです。その場合、肝炎の進行を抑制するために肝庇護療法が行われます。

Yuji Morine,et al.(2014) Evaluation and management of hepatic injury induced by oxaliplatin-based chemotherapy in patients with hepatic resection for colorectal liver metastasis:Hepatol Res.;(Suppl S1):59-69.

C型肝炎治療ガイドライン(第2版)2013年11月 - 日本肝臓学会



経口薬のみの治療

2014年秋にインターフェロン不要の経口抗ウイルス剤の2剤併用療法が登場予定です。65歳未満の線維化非進展例、すなわち肝がんリスクの低い待機中の患者さんが対象となります。また、貧血や心疾患、自己免疫疾患そしてうつ病などでインターフェロンが使用できない患者さんも対象となります。


開発中の経口薬治療の注意点
2014年登場予定の経口抗ウイルス薬はプロテアーゼ阻害薬のアスナプレビルとNS5A複製複合体阻害薬のダクラタスビルです。対象はジェノタイプ1b型の患者さんです。臨床試験では85%のウイルス排除率を示しました。非常に期待の高いお薬ではありますが、考慮すべき問題点が2つあります。

一つ目は
ダクラタスビルに耐性をもっている例が10人に1人か2人存在するということです。経口投与治療前にダクラタスビル耐性ではないことを確認しておく必要があります。

二つ目は
肝機能障害の副作用です。臨床試験においてALT上昇発生率は15.8%でした。ALT正常上限の10倍以上の上昇も起こりえます。肝病変進展例では注意が必要です。

C型慢性肝炎に対する経口薬のみによる治療薬を世界に先駆けて日本にて承認申請(ブリストルマイヤーズ プレスリリース)



ザルティア錠 保険請求上の注意





ザルティア錠は一般名タダラフィル、前立腺肥大症による排尿障害に適応をもつ薬剤です。

ED治療薬のシアリスと同一成分です。


ザルティアの作用機序

下部尿路組織に分布するPDE5 を阻害することによりcGMP濃度を上昇させます。
・血管平滑筋が弛緩し、下部尿路組織の血流や酸素供給が増加します。
・前立腺、尿道、膀胱頸部の平滑筋も弛緩することから、これらの作用が総合的に働いて下部尿路の組織障害や排尿障害を改善します。

これらの薬効は陰茎海綿体にも同様に作用し、勃起を増強させます。


2014年4月17日にザルティア錠は薬価収載されました。同時に厚生労働省から留意事項が通達されています。

ザルティア錠2.5mg及び同5mg(薬価基準等の一部改正に伴う留意事項について:保医発0417第4号)
本製剤の効能・効果に関連する使用上の注意において「本剤の適用にあたっては、前立腺肥大症の診断・診療に関する国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、適切な検査により診断を確定すること」とされており、適切な検査により前立腺肥大症と診断された場合に限り算定できること。また、診療報酬明細書の記載に当たっては、尿流測定検査、残尿検査、前立腺超音波検査等の診断に用いた主な検査について、実施年月日を摘要欄に記入すること。



ガイドラインに沿った検査を行わなければ、保険請求できないと思われます。

ガイドラインには以下の記載があります。

前立腺肥大症を想定した場合に必ず行うべき評価としては、病歴聴取、症状・QOL評価、身体所見、尿検査、尿流測定、残尿測定、血清PSA測定、前立腺超音波検査がある。


厚労省、泌尿器科関連団体ともに、注視されるものと考えられます。
ガイドラインに準じた診療、尿流測定検査など前立腺肥大症に対する検査は必須です。

妊娠糖尿病の検査 glucose challenge test





glucose challenge test(グルコースチャレンジテスト:GCT)とは、妊娠中期(24~28週)に行う妊娠糖尿病の検査法です。

ブドウ糖50gを飲み、1時間後に採血を行い血糖値を測る検査です。血糖値が140㎎/dL以上の場合は陽性と判断されます。



妊娠糖尿病を診断するための検査に75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)というのがあります。
検査当日の朝まで10時間以上絶食した空腹のまま採血し、血糖値を測ります。次に、ブドウ糖液(ブドウ糖75gを水に溶かしたもの、またはデンプン分解産物相当量)を飲み、ブドウ糖負荷後、30分、1時間と2時間後に採血し、血糖値を測るという検査です。

とてもしんどい検査です。そのため、この検査は妊娠糖尿病が強く疑われる人に限って行われたほうが良いのです。「強く疑われる人」を見つけるための検査がGCTなのです。

GCTで陽性(血糖値が140㎎/dL以上)だった人に対して75gOGTTが行われます。


妊娠中期の糖尿病検査として行われているのは以下の3つです。

1.随時血糖測定
 (食事時間は関係なく血糖値を測定、100mg/dL以上で陽性)

2.空腹時血糖測定
 (夜食事を抜いて血糖値を測定、85mg/dL以上で陽性)

3.GCT


1が最も負担が軽く2と3はそれに比べると重いです。けれど、GCTは妊娠糖尿病に対する感度や、費用対効果の面を考えると最も優れているとされています。

杉山隆 他(2006)妊娠糖尿病のスクリーニングに関する多施設共同研究報告:糖尿病と妊娠,6(1):7-12

そのため、産婦人科診療ガイドライン:産科編2011においてもGCTが妊娠中期の糖尿病検査として推奨されています。

産婦人科診療ガイドライン:産科編2011(日本産婦人科学会)


妊娠糖尿病について

妊娠糖尿病状態では、巨大児や胎児奇形や子宮内死亡の発生、帝王切開確率が上がったり、赤ちゃんの呼吸切迫症候群のリスクが上昇します。しかし、これらは適切な血糖コントロールによってリスクを減らすことができます。出来る限り早い段階で見つけ治療を開始することが重要です。妊娠32週までの良好な血糖コントロールができれば安心とされています。

Landon MB, et al(2009)A multicenter, randomized trial of treatment for mild gestational diabetes.:N Engl J Med ;361(14):1339-48.

妊娠糖尿病の患者さんは、分娩後6~12週に75gOGTTを行います。妊娠糖尿病のほとんどが妊娠中のインスリン抵抗性増大が原因なので、赤ちゃんを産んでしまえば改善することが多いです。けれども、妊娠糖尿病の患者さんは将来の糖尿病発生率が高いことも知られています。

Bellamy L, et al(2009)Type 2 diabetes mellitus after gestational diabetes: a systematic review and meta-analysis.:Lancet;373(9677):1773-9

つまり、赤ちゃんを産んだあとの検査で異常がなかったとしても、定期的かつ継続的な血糖検査を行って、将来の糖尿病に注意することが重要です。

2014年4月16日水曜日

薬局で血糖測定ができるようになったのか



薬局で血糖測定が可能になったと報道されています。これは、2014年3月31日付で「臨床検査技師法等に関する法律に基づく告示の一部改正」が厚生労働省より官報告示されたことに伴うものです。

薬局など簡単な検査を行う場所を「検体検査室」と呼ぶことになりました。
「検体検査室」設置するには、まず届出が必要です。

検体検査実施において注意したいのが
「測定結果をふまえた物品の購入勧奨」と「測定結果をもとにしたアドバイス」をしてはいけない点です。
例えば、血糖値を測定して、血糖値が基準値より少し高めの人に「糖尿病かもしれませんね」というのはNGです。さらに「この健康食品を摂って様子を見ましょう」というのもNGです。

検査値から、病名を判断するのは医師のみ認められた行為です。検査値から「糖尿病かもしれません」などと言ってしまうと医師法に抵触してしまいます。

他、注意したい点は、必要な書類帳簿が多いことです。
台帳を4種類。
手順書1種類。
作業書を1種類作成しなくてはいけません。



検体測定室に関するガイドライン

経済産業省ホームページ:健康寿命延伸産業分野における新事業活動ガイドライン

厚生労働省ホームページ:健康寿命延伸産業分野における新事業活動ガイドライン


【2014.06.20追記】
検体測定室に関するガイドラインに係る疑義解釈集(Q&A)
http://yakuza-14.blogspot.jp/2014/06/blog-post_24.html



以下概要です。


【検体測定室の届出等】

検体測定室では、
① 当該施設内で検体の採取及び測定を行うこと
② 検体の採取や採取前後の消毒などは患者さん自身がやること。

<検体測定室の届出>

(1) 検体測定室の届出の手続
 薬局で血液検査等をするには、行う日のの7日前までに医政局指導課医療関連サービス室長に届け出ましょう。

(2) 期間を定めて運営を行う検体測定室の届出の手続
 健康フェアなどで期間限定で測定検査等をやるときは、行う日の7日前までに医政局指導課医療関連サービス室長に届け出ましょう。

(3) 届出の内容
 ア 記載事項
(ア)薬局の開設者の氏名及び住所
(イ)衛生管理を含めた検体測定室の運営責任者の氏名及び資格
   ※運営責任者になることができるのは、医師、薬剤師、看護師又は臨床検査技師です。
(ウ)精度管理を職務とする者の氏名及び資格
   ※精度管理責任者になることができるのは、医師、薬剤師、臨床検査技師です。
(エ)検体測定室の名称及び所在地
(オ)測定項目の内容及び開設日
(カ)期間を決めてやるときは、その期間

 イ 添付書類
 届出には、次の書類も合わせて提出します。
 ・運営責任者と精度管理責任者の免許証の写し
 ・検体測定室の場所を明らかにした図面等の書類


【ガイドライン】

<測定に際しての説明>

運営責任者が患者さんに対して11の事項を書面や映像などで説明します。
患者さんから説明内容の同意を得て、さらに承諾書をもらいます。

① 測定は、特定健康診査や健康診断等ではないこと(特定健康診査や健康診断の未受診者には受診勧奨をしていること)
② 検体の採取及び採取前後の消毒・処置については、受検者が行うこと
③ 受検者の服用薬や既往歴によっては、止血困難となり、測定を行うサービスを受けられない場合があること(このため、運営責任者は受検者に抗血栓薬の服用の有無や出血性疾患(血友病、壊血病、血小板無力症、血小板減少性紫斑病、単純性紫斑病)の既往歴の有無をチェックリストで確認し、これらの事実が確認された場合はサービスの提供を行わないこと)また、採血は受検者の責任において行うものであるため、出血・感染
等のリスクは、基本的に受検者が負うものであること
④ 自己採取及び自己処置ができない受検者はサービスを受けられないこと
⑤ 採取方法(穿刺方法)、採取量(採血量)、測定項目及び測定に要する時間
⑥ 体調、直前の食事時間等が測定結果に影響を及ぼすことがあること
⑦ 検体の測定結果については、受検者が判断するものであること
⑧ 検体測定室での測定は診療の用に供するものではないため、受検者が医療機関で受診する場合は、改めて当該医療機関の医師の指示による検査を受ける必要があること
⑨ 穿刺による疼痛や迷走神経反射が生じることがあること
⑩ 受検者が自己採取した検体については、受検者が希望した測定項目の測定以外には使用しないこと
⑪ 受検者からの問い合わせ先(検体測定室の電話番号等)

<測定項目>
(1) 既往歴の調査(服薬歴及び喫煙習慣の状況に係る調査を含む。)
(2) 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
(3) 身長、体重及び腹囲の検査
(4) BMIの測定
(5) 血圧の測定
(6) GOT、GPT及びγ-GTPの検査(以下「肝機能検査」という。)
(7) 中性脂肪、HDLコレステロール及びLDLコレステロールの量の検査
(8) 血糖検査
(9) 尿中の糖及び蛋白の有無の検査(以下「尿検査」という。)
(10) 上記(1)~(9)に掲げる項目のほか、厚生労働大臣が定める項目について厚生労働大臣が定める基準に基づき医師が必要と認めるときに行うもの
・測定の項目については、特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準(平成19年厚生労働省令第157号)第1条第1項


<測定結果の報告>
お伝えできるのは測定値と測定項目の基準値のみ

患者さんに対しては、測定結果がどんなものでも、特定健康診査や健康診断の受診をすすめる。
また、測定結果を見た患者さんから「私、○○という病気かしら?」などの問い合わせには答えてはいけません。
かかりつけ医への相談等をするよう助言すること。この場合、「薬局の前の病院で聞いてください」など特定の医療機関を薦めてはいけません。

<広告の規制>
「ワンコイン健診」と謳ってはいけません。
診療所、健診センター等の紛らわしい名称を付けてはいけません。
また、診察、診断、治療、健診等を広告してもダメ。


<採血器具などの取り扱い>
消毒や絆創膏など、患者さんが使えるように常備しておきます。

穿刺器具による穿刺については、手指のみ認められます。

自己採取用の穿刺器具については、薬事法で承認されたものを使います。
1回使い捨ての穿刺器具を使用すること。
患者さんに「穿刺器具は1回使い捨てです」と明らかにしておきましょう。
穿刺器具の取扱い等については、以下の点に注意します。
① 外観を観察し、保護キャップが外れていたり、破損していたりする場合は使用しないこと
② 保護キャップを外したらすぐに使用すること
③ 複数回、同一部位での穿刺はしないこと


<精度管理>
精度管理については、測定機器の製造業者等が示す保守・点検を実施します。
複数人の検体を一度に測定してはいけません。
検体測定室ごとに、精度管理責任者を定めます。
精度管理責任者による定期的な内部精度管理を実施します。
年1回以上、外部精度管理調査に参加しなくてはなりません。


< 研修>
運営責任者は、関係法令、精度管理、衛生管理、個人情報保護等について必要な外部研修を受講させなくてはいけません。

<個人情報保護>
受検者の個人情報については、「個人情報の保護に関する法律」及び「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインにより、適正に取り扱います。
測定結果については、患者さんの同意を得ずに、保管・利用しはいけません。

<急変への対応の手順書作成>
急変に対応できるよう、物品を常備します。
救急隊への通報体制について手順書を作成します。手順書を検体測定室に掲示します。
及び近隣の医療機関との連携を図る体制を整備しなくてはなりません。

<標準作業書>
標準作業書を作成しなくてはいけません。

<作業日誌>
標準作業書に従い、作業日誌を作成します。
・測定機器保守管理作業日誌
・測定作業日誌

<台帳>
次に掲げる台帳を作成し、20年間適切に保管管理します。
ア 測定受付台帳(受検者の氏名、連絡先等の保存を行うための台帳)
イ 使用測定機器台帳(測定用機械器具の名称、製造者、型番、設置日、修理及び廃棄を記録するための台帳)
ウ 試薬台帳(試薬の購入等の記録や数量管理を行うための台帳)
エ 精度管理台帳(内部・外部精度管理調査の結果の書類を整理した台帳)

<注意事項>抜粋
ア 検体測定室の開設者は、血液を取り扱うことのリスクを十分認識し、器具等の衛生管理や単回使用器具の再使用の防止、廃棄に至るまでの間
の安全管理等について、従業者への教育・研修や自己採取者への測定に際しての説明・注意喚起を行い、血液に起因する感染症を防止する責任
が伴うこと、また、穿刺器具等の不適切な取扱いを行った場合の健康影響への責任も伴うことを十分に踏まえて運営を行うものとする。
イ 測定業務に従事する者等が受検者に対して採血、処置及び診断を行った場合は、関係法令に抵触し、罰則の対象となる可能性がある。
ウ 広告、廃棄物処理、個人情報保護において適切に行われていない場合は、それぞれ関係法令に抵触し、罰則の対象となる可能性がある。
エ 検体測定室は、診療の用に供しない検体の測定を行う施設であるため、医療機関から検体の測定を受託することはできないこと。また、病院、
診療所内では検体測定室の運営を行わないものとする。
オ 検体の測定は受検者から直接受託するものとする。また、検体の生化学的検査を登録された衛生検査所に委託をする場合を除き、業務の一部
又は全部を他の施設に委託しないものとする。なお、測定結果については、受検者に直接報告するものとする。
カ 他の施設と誤解されないよう、検体測定室と分かる表示を行うものとする。
キ 検体測定室では、測定結果をふまえた物品の購入の勧奨(物品の販売等を行う特定の事業所への誘導を含む。)を行わないものとする。
ク 測定の際、穿刺器具の販売・授与が行われる場合には、都道府県知事に対し管理医療機器販売業の届出を行うなど、薬事法における規定を遵
守するものとする。
ケ 厚生労働省医政局指導課は、このガイドラインの運用に関して助言を行うものとする。
コ 検体測定室の開設者は、厚生労働省医政局指導課が行う調査に協力するものとする。

2014年4月15日火曜日

アプリ「糖尿病ノート」 血糖値記録以外に食事や体重の記録も。







「糖尿病ノート」でできることは、自己管理を行う上で必要な項目が取り揃えられています。

記録できる項目は、
血糖値、体重、血圧、運動量、食事内容、摂取カロリー、服薬中の薬、服薬記録、検査値です。

こんなに多機能なのに無料なの?多機能すぎて、最初でつまづく方続出アプリのご紹介です。



糖尿病の方・血糖値が気になる方にも「糖尿病ノート」(プラス・アール)



「糖尿病ノート」には記録の他に服用中の薬と、その服用時間を登録しておくと服薬タイミングをお知らせしてくれるアラーム機能を持っています。服用時間はユーザーの生活リズムに合わせて、自由に変更できます。また、複数の薬を登録可能で、服薬時間も薬ごとに設定できます。時間になると、待ち受け画面に服薬時間を知らせるアラームとメッセージが表示されます。

アプリの基本画面はカレンダーです。服薬チェック、体重、血圧、血糖値、食事の記録ができます。
服薬チェックでは、薬を飲んだか飲んでいないか記録し、カレンダーにアイコンで表示されます。
体重、血圧、血糖値の記録は折れ線グラフで表示することができます。変化が目で見える形で示されるので、自己管理の励みになりますよ。

食事の記録は、朝、昼、夜の食事内容をカメラで撮影し写真で記録することができます。その他食べたものを文字で入力し、カロリーが分かれば数値で記録できます。


現在の糖尿病管理において、血糖値は補助的であり、HbA1c値の変化に主眼が置かれています。HbA1cを自分で記録してその変化を患者自身が確認することは大きな意味を持ちます。HbA1cは”検診データ入力”から入力することができ、その変化がグラフで表示されます。


カレンダーには通院予定日を入力することができます。カレンダー上に予定日が表示され、通院予定日の1日前から3日前の間で通知することができます。