2014年3月3日月曜日

タケプロンの後継品 ボノプラザン(タケキャブ)

ボノプラザン(vonoprazan)とは、
武田薬品工業が開発したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー
(potassium competitive acid blocker :PーCAB)と呼ばれる酸分泌抑制薬です。

製品名
タケキャブ錠10mg、同錠20mg


2014年12月26日承認されました。

2015年2月24日薬価収載されました。

2015年2月26日発売です。


【作用機序】
胃酸は、胃壁細胞に多数存在する胃酸分泌細胞によって分泌されます。
胃酸分泌は胃プロトンポンプ(H+,K+-ATPase)と呼ばれる酵素が大きく関与しています。
このポンプがはたらくためにはカリウムイオンが必要になるのですが、

ボノプラザンは
プロトンポンプをカリウムイオンと競合的なかたちで阻害することにより胃酸分泌抑制効果を発揮します。
既存の胃酸分泌抑制薬(PPIやH2ブロッカー)とは作用機序が異なります。。

※厳密には、PCABもプロトンポンプを阻害するのでPPIに分類できます。



【特徴】
・カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(potassium competitive acid blocker :PCAB)という世界初の物質です。
・ランソプラゾールと比較して早く作用発現がみられました。
・弱塩基性の脂溶性の高い物質です。
・胃壁細胞への高い蓄積性を持っています。そのため、長く強力な酸抑制効果が期待できます。
・食事の影響を受けないお薬です。
・CYP2C19に対する影響はありません。
・日本において承認申請中です「TAK-438」(2014年2月28日)


(追記)
ボノプラザンは、小腸で吸収されず胃でダイレクトに作用するかのように
記載している誤った情報を流しているサイトがあります。

ボノプラザンは、小腸で吸収されます。
全身をめぐり胃へ到達し、胃の壁細胞へ集まります。

他のPPIとの違いは、胃の壁細胞で酸による活性を受けるか受けないかです。
ボノプラザンは酸による活性を受けないので
効果が早く発現します。


既存のPPIとボノプラザンのちがいをまとめました。
▶▶タケキャブとタケプロンのちがい

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