2014年3月12日水曜日

妊娠糖尿病 薬剤師のできること

妊娠糖尿病とされた患者さんは分娩後1~10年の間に約20%が明らかな糖尿病と診断される傾向にあるそうです。

妊娠糖尿病にかかったことがある人は赤ちゃんを産んでからも油断せず、積極的に生活習慣を改善し、糖尿病を発症しないように努めることが大切です。

そこで、薬剤師は何ができるか考えてみましょう。

①妊娠前の葉酸接種の呼びかけ

厚生労働省は、妊娠前の女性や妊産婦に、葉酸の摂取が胎児の先天性異常の発生率を低減すると発表し、1日400μgの摂取をすすめています。

②血糖管理

赤ちゃんやお母さん自身の合併症を防ぐためには、妊娠中の血糖コントロールをよい状態にすることが必要です。できるだけ健常の妊婦さんと同じ血糖値を目標に治療を行ないます。

③体重管理の重要性の説明

正常妊娠の妊娠中の体重増加目標は、妊娠前の肥満の程度によって異なります。肥満度が標準的な人(BMI18.5~25)は7~12kg、やせの人(BMI18.5未満)は9~12kgの体重増加が勧められています。この程度の体重増加が、お母さんの体の異常が最も少なく、胎児の正常な発育と最も関連していることがわかっています。一方、妊娠前に肥満であった人(BMI25以上)は、血圧や血糖値の異常などと関連が深く個別に対応することになっていますが、概ね4~6kgの体重増加が目標とされます。

④糖尿病合併妊娠の場合は糖尿病性網膜症になりやすいので妊娠中の眼科受診を促します。


⑤産後も考慮した食療法の説明


⑥授乳による2型糖尿病のリスク低下の説明


⑦産後は年1回の定期検査

ブドウ糖負荷試験が正常であっても検査を受けることが重要です。

妊娠中に使用可能な糖尿病治療薬で安全性の確認されているのはインスリン注射だけです。経口糖尿病薬について、日本糖尿病学会では推奨できないとしています。今後患者さんにとって治療薬の選択肢が広がることを期待します。





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