コンドロイチンやグルコサミンは変形性関節症に効果はあるのか？
世界中の臨床研究の結果をまとめ、
多くの治療法を評価している「Clinical Evidence」において
コンドロイチンやグルコサミンの変形性関節症に対する効果は「不明」とされています。
コンドロイチンについては
「コンドロイチンがプラセボに比べて痛みをやわらげるかどうかは不明」としています。
さらに「コンドロイチンは安全な治療法であると思われるが、
変形性関節症の症状をわずかにしか改善しない」と記載しています。
一方のグルコサミンについては、
「グルコサミンは痛みにたいして効果はプラセボと同じである」としています。
また、「グルコサミンに関しては痛みを悪化させるという研究結果もあり
効果については結論づけられない」とされています。
健康食品に含まれる成分の情報を収集データベース化している「Natural Medicines Comprehensive Database」には
コンドロイチン硫酸塩、
グルコサミン塩酸塩、
N-アセチルグルコサミン、
グルコサミン硫酸塩
の4成分について記載があります。
グルコサミン硫酸塩が「恐らく有効」、
コンドロイチン硫酸塩が「有効の可能性あり」、
グルコサミン塩酸塩と
N-アセチルグルコサミンが「信頼できるデータが不十分」と分類しています。
変形性関節症と股関節症に対する
コンドロイチン及びグルコサミンの効果を
確かめた研究結果では
プラセボに比べて殆ど差がなく
論文の著者らは
「痛みはわずかに減少するかもしれないが治療上意味のあるものではない」と
結論づけています。
Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis（BMJ. 2010; 341: c4675.）
ワルファリンとの相互作用に注意
コンドロイチン硫酸塩はヘパリンと化学構造が似ています。
そのため、血が固まらなくなる作用が強く出すぎるおそれがあるので、
ワルファリンとコンドロイチンを一緒に飲むのは避けたほうがよいでしょう。
そのため、血が固まらなくなる作用が強く出すぎるおそれがあるので、
ワルファリンとコンドロイチンを一緒に飲むのは避けたほうがよいでしょう。
Potential glucosamine-warfarin interaction resulting in increased international normalized ratio: case report and review of the literature and MedWatch database.（Pharmacotherapy. 2008 Apr;28(4):540-8.）
「Natural Medicines Comprehensive Database」でも、
グルコサミン塩酸塩、グルコサミン硫酸塩、N-アセチルグルコサミンのいずれも、
ワルファリンとは「併用すべきでない」と記載されています。
コンドロイチン硫酸塩との併用は「併用に注意」となっています。
グルコサミン塩酸塩、グルコサミン硫酸塩、N-アセチルグルコサミンのいずれも、
ワルファリンとは「併用すべきでない」と記載されています。
コンドロイチン硫酸塩との併用は「併用に注意」となっています。
都合のいい広告にの乗せられてしまうのではなく、
吟味できる知識を身につけた上で選択をするという行動が取れるようになると良いですね。
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山本 啓一
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