TVなどでは、まるで夢の薬のように、だれでも簡単に使えて効果があるように大々的に騒いでいますが実はそんなことはありません。
このお薬がどんなものかというと、スギ花粉を少しずつカラダに入れて、カラダにスギ花粉を敵ではないよと認識させるものです。アレルギーのある人にアレルギー物質をふくませるので、極端な例ですが、蕎麦アレルギーの人が蕎麦を食べるようなものです。発生頻度は少ないようですが、アナフィラキシーショックを起こす危険もあります。
ショックを起こした時すぐ対応できるようにお医者さんから「患者携帯カード」が配布されます。しっかり携帯しましょう。
投与方法は、
飲み薬でも塗り薬でも貼り薬でもありません。舌下投与という方法です。舌のしたに薬液を垂らし2分間何もせず我慢します。その後5分は飲食うがいは禁止です。1日1回なので、寝る前に投与するのがいいのでしょうか。
投与を開始する時期には注意が必要です。花粉が飛んでいる時期には治療をスタートできません。つまり、治療開始時期はスギ花粉の飛んでいない6月~12月くらいとなります。
最初の1週間は青い瓶を投与します。次に白い瓶です。3週目からはアルミパウチの容器を使います。3種類すべて揃えないといけないので薬局泣かせです。
冷所で保存しておかないといけないお薬です。家では冷蔵庫に入れて置かなければいけません。投与中は旅行等は考えて計画を立てないといけないでしょう。
この薬はどこの病院でももらえるものではありません。学会主催の講演会で登録を行い、製薬メーカーのオンライン講習会を受講した医師のみ処方することができます。
最後に・・・
実験段階で約2年は継続して毎日投与し続けないと効果はありませんでした。あなたは、症状がないときもあるときも投与を続けることができますか。また、効く人と効かない人がいます。2~3年投与し続けて効果がなかった場合、納得できますか?
なかなか難しい薬です。
普段、花粉症でも薬を飲めばある程度症状が収まる方には必要のない薬です。
この薬を必要とするのは、薬の副作用(眠気など)が仕事に支障の出る職業の方(運転手やパイロットなど)また、アレルギー薬などを飲んでも効果がない重症の花粉症の方のみではないでしょうか。