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2014年1月22日水曜日

牛乳アレルギーの治療



牛乳アレルギーはどんな症状が起きるの?





食物アレルギーの中で、牛乳アレルギーは卵アレルギーについで多い病気です。蕁麻疹などの皮膚症状が最も多く、咳や呼吸困難、嘔吐、腹痛、下痢などの症状がでてきます。そして、最も重い反応はアナフィラキシーショックです。

アナフィラキシーショックは、咳や呼吸困難、嘔吐、腹痛、下痢などが強く出てくるのに加え、血圧が低下し、意識不明のショック症状に陥ってしまいます。牛乳アレルギーによるアナフィラキシーショックは非常に珍しいですが、すみやかに治療しないと心肺停止に至り、最悪の場合死亡するケースも想定できます。

生活上の注意点

牛乳を含む食品には、それを表示する義務があります。必ず表示を確認して食品は選ぶようにしましょう。しかし、店頭販売される食品や包装されていない食品、表示スペースがない小さな包装の食品には表示義務がありません。そのため、牛乳を含んでいても表示されていなケースも有るため注意が必要です。また、外食の際は、メニューにアレルギー成分を表示しているお店を利用するなど心がけるとよいでしょう。

子供を親戚や知人のに預ける場合は牛乳アレルギーがあることをきちんと伝えておく必要があります。学校や保健所では事故を防ぐため、「生活管理指導表」という書類を提出します。この書類には、食物アレルギーの病型や原因食品、診断根拠、治療薬、学校生活での制限が必要かどうかの情報が含まれています。

新生児・乳児消化管アレルギー

ミルクを飲んだあと嘔吐や血便、下痢などの消化管症状がでてくる赤ちゃんがたまにいます。

アレルギー検査ではIgE抗体は陰性なのですが、リンパ球の反応性を調べるアレルゲン特異的リンパ球刺激試験(ALST)という検査では陽性になります。ほとんどの赤ちゃんは3歳くらいまでに牛乳を飲んでも問題なくなります。

牛乳アレルギーの検査

牛乳アレルギーは血液中のIgE抗体という特殊なタンパク質を測定することである程度見当をつけることができます。牛乳と結合する声質を持つIgE
抗体の量が増えている場合は、牛乳アレルギーが発生しやすくなります。これは、比較的簡単な測定法なのですが精度には限界があるらしく確実な診断を下すためには食物負荷試験が行われます。

食物負荷試験とは、実際に牛乳を飲んでもらい、アレルギー反応が起きるかどうかを観察します。どんな反応が起きるかわからないので、確実に治療できる技術が必要なので、経験豊富なスタッフと設備の整った施設で行われます。

食物負荷試験では、牛乳をどの程度まで摂取できるのか(どの程度の摂取量までに制限すればよいのか)わかります。

牛乳アレルギーの治療

治療薬

蕁麻疹などの軽い反応の治療には、抗ヒスタミン薬を使用します。アナフィラキシーショックかそれに近い症状の場合には効果の強い「エピペン」という薬を注射します。エピペンは、患者さんが自ら発作が起きた時に注射できるようにした薬です。使用方法を間違えると、かえって健康を損なう可能性があるので、注射の手技とタイミングを確実にマスターする必要があります。

治療用ミルク

赤ちゃんの場合、牛乳アレルギーがあることがわかっていてもミルクを飲ませなければならない場合があります。その場合はアレルギー活性を低下させた治療用のミルク(ニューMA-1:森永乳業)などを使用します。大豆アレルギーがない場合は大豆調製粉乳(ボンラクト:和光堂)を使用することができます。



参考:日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会:食物アレルギー診療ガイドライン2012
http://www.jspaci.jp/jpgfa2012/




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