よく聞くのが、「いつまで痛み止めを飲み続けないといけないのか」とう患者さんの声。
回答に悩む薬剤師さんも多いと思います。
痛み止めのはっきりとした止め時はありません。わかりません。これが本質です。
ただ、痛みの治療の目標は痛みを完全にゼロにすることではなく、みんさんが自分の生活を楽しめるようになることです。痛いからと体を動かさず筋肉が縮こまり、関節が動かなくなり、更に痛みが増す。そして心理的にも不安に陥り悪循環にはまります。そうならないように、痛みは少し残っても、薬を飲めばある程度生活を楽しめるようになることを目指します。
痛みを忘れて「あー、最近薬の飲み忘れが増えたなぁ」というときが止め時なのかもしれません。
ただし、急に薬をやめてしまうのはNGです。徐々に減らしていきます。お医者さんか薬剤師さんに相談しましょう。
ガンの痛みや、急な痛みは薬で取り除くことができます。しかし、慢性疼痛という痛みは薬で完全に取り除くことは難しいです。痛みを取り除こうとして薬の量を増やしてしまうと生命の危険に関わります。
痛みにはケガや骨折などの「侵害受容性疼痛」と神経のキズや機能異常による「神経障害性疼痛」、さらに心理・社会的問題から生じる「心因性疼痛」の3種類があります。これら痛みの種類に合わせて適切なお薬が処方されます。例えば「神経障害性疼痛」に分類される帯状疱疹後神経痛の場合、非ステロイド性鎮痛薬は効果がありません。
痛みの治療はお医者さんと良好な関係が作ることも大事です。あなたの主治医は痛みが落ち着き、活動時間が増えたりした時に「いいですね」と褒めてくれますか。また、病態に応じてマッサージや神経ブロックなどの手術を提案してくれますか。痛みの有無だけにこだわって薬の量だけが増えていませんか。今の治療に満足行かなければお医者さんに相談しましょう。直接言いにくければ薬剤師さんに相談しましょう。
患者さん自身も痛みの性質を理解することが重要です。
最近良く耳にする神経障害性疼痛について。
指を刃物で切って傷はふさがったけど痛みは続く。増してくる。この例は神経障害性疼痛の可能性が高いです。治療に関しては、ドラッグストアで買える市販の痛み止めでは効果がありません。また、薬の効果に個人差があり、その人にあった薬を見つけるのが難しいのが現状です。抗うつ薬が効果があることがあります。
日本ペインクリニック学会の神経障害性疼痛の薬物治療ガイドラインを紹介します。
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