同僚の薬剤師が、ノロウイルスに感染してしまいました。
ノロウイルスは人環境にも安定して存在し、強い感染力を保持しています。
感染は18~1000個のウイルス粒子で成立するといわれています。
感染は18~1000個のウイルス粒子で成立するといわれています。
潜伏期間は1~2日(10~51時間)、症状は突然の嘔吐と下痢が出現します。
下痢、嘔吐のみられない不顕性感染者が約3~5割存在しています。
下痢、嘔吐のみられない不顕性感染者が約3~5割存在しています。
典型的な有症期間は1~3日です。3日以上症状が続く場合も15%程度います。
発症前に既にウイルスを排泄する場合が30%存在します。
感染すると長期に渡りウイルスを便の中に排泄します。
感染すると長期に渡りウイルスを便の中に排泄します。
排泄期間は小児では約4週間、成人では約3週間です。
ノロウイルスの診断は、RT-PCR(reverse transcriptase-polymerase chain reaction)法と
ノロウイルス抗原検出キット:ELISA(enzyme linked immuno solvent assay)法や
イムノクロマト(IC)迅速診断法、があります。
ノロウイルス抗原検出キット:ELISA(enzyme linked immuno solvent assay)法や
イムノクロマト(IC)迅速診断法、があります。
検出感度はRT-PCR法>>>>>>>>ELISA法、ICキットです。
10000倍くらいちがいます。
10000倍くらいちがいます。
迅速診断キットで検出できるのはウイルス量が増えている発症後5日以内の便検体です。
職場復帰する時期の目安
典型的な有症期間は1~3日であることから、
下痢、嘔吐期間が3日以上も持続している可能性は低いので、
症状が治まれば便の状態も正常に近くなっていると考えられます。
ですが、便の中にはまだウイルスが存在しているので
感染源となってしまう可能性は大きいでしょう。
下痢、嘔吐期間が3日以上も持続している可能性は低いので、
症状が治まれば便の状態も正常に近くなっていると考えられます。
ですが、便の中にはまだウイルスが存在しているので
感染源となってしまう可能性は大きいでしょう。
したがって、症状がみられない、固形便の確認、を絶対条件として、
トイレの後の丁寧な手洗い、マスク・手袋・ガウンなどの予防着の着用や
標準的感染予防指針の遵守を徹底すれば職場復帰は可能と考えられます。
トイレの後の丁寧な手洗い、マスク・手袋・ガウンなどの予防着の着用や
標準的感染予防指針の遵守を徹底すれば職場復帰は可能と考えられます。
もちろん、症状などは個人差により異なるので
発症後に何日で症状がなくなるかに関して断定はできません。
発症後に何日で症状がなくなるかに関して断定はできません。
迅速診断キットは感度があまり良くありません。
陰性確認は不可能です。
陰性確認は不可能です。
つまり職場復帰などを目的とした検査手段にはなりません。
無意味です。
無意味です。
感染者が薬剤師などコメディカルであれば上の対応でいいと思います。
では、給食関係の職員などはどうでしょうか、調べてみました。
病院給食、学校給食などの集団給食や、
外部の調理・食品サービスセンターなどの調理従事者に対しては、
食品に携わる調理従事者であるために、
関連する法的な遵守事項、いわゆる「大量調理施設衛生管理マニュアル」が定められています。
外部の調理・食品サービスセンターなどの調理従事者に対しては、
食品に携わる調理従事者であるために、
関連する法的な遵守事項、いわゆる「大量調理施設衛生管理マニュアル」が定められています。
食品等事業者の衛生管理に関する情報(厚生労働省)
「大規模食中毒対策等について」厚生労働省(平成9年3月24日付け衛食第85号(最終改正:平成25年3月29日付け食安発0329第1号))
「ノロウイルスを原因とする感染性疾患による症状と診断された調理従事者等は、
リアルタイムPCR法等の高感度の検便検査において
ノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、
食品に直接触れる調理作業を控えるなど適切な処置をとることが望ましい」
と推奨されています。
リアルタイムPCR法等の高感度の検便検査において
ノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、
食品に直接触れる調理作業を控えるなど適切な処置をとることが望ましい」
と推奨されています。
リアルタイムPCR検査による陰性判定までは、
成人の便中ウイルス排泄期間とほぼ同じ、約3週間を要します。
したがってその間、「食品に直接触れる調理作業」は控え、
食品に直接接しない他部署での就業であれば可能と考えられます。
成人の便中ウイルス排泄期間とほぼ同じ、約3週間を要します。
したがってその間、「食品に直接触れる調理作業」は控え、
食品に直接接しない他部署での就業であれば可能と考えられます。
症状が消失したことに加えて標準的感染予防指針を遵守することが
職場復帰の可能性の目安となりますが、
法に則り、最終的にはリアルタイムPCR法検査での陰性確認を優先したほうがよいでしょう。
職場復帰の可能性の目安となりますが、
法に則り、最終的にはリアルタイムPCR法検査での陰性確認を優先したほうがよいでしょう。
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