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2013年2月24日日曜日

趣味の漢方 第8証 喘息に漢方単独で挑むのは無謀です



喘息に効果があるとされる漢方はあります。しかし、漢方単独で対処しようとするのは無謀です。アドエア、パルミコート、テオドールなど西洋薬と組み合わせて上手に対処しましょう。

漢方しかなかった時代は喘息で命を落とす人も少なくありませんでした。優れた西洋薬の登場のお陰で喘息で死亡する人は激減しました。その恩恵はしっかり受けましょう。

漢方を併用すると、喘息の頻度や程度が軽減します。西洋薬の使用頻度も減らすことができるのです。体質改善だと思って、気長に内服することをおすすめします。

発作時には

麻杏甘石湯です。急性期の咳を抑えるのに優れています。お子さんに有用とされいるのは、麻杏甘石湯に桑白皮(ソウハクヒ)を加えた漢方薬の五虎湯です。どちらも麻黄を含むので、あわないと思ったら中止して漫然と飲むことのないようにしましょう。

非発作時には

柴胡を含む漢方薬を加えます。喘息の非発作時は慢性期です。慢性期は漢方では少陽病期といいます。少陽病期には柴胡剤を加えるのがセオリーです。
体力のある大人には大柴胡湯を加えるとよいでしょう。虚弱な人には、小青竜湯と小柴胡湯を組み合わせたり、麦門冬湯と小柴胡湯を加えたりします。お子さんには五虎湯と小柴胡湯の組み合わせです。

女性やお年寄りには麻黄を含まない苓甘姜味辛夏仁湯がよいでしょう。

それでも、調子が良くならなければ

柴朴湯か神秘湯を試してみるとよいでしょう。神秘湯は麻黄を含む柴胡剤ですので虚弱体質の人は控えたほうがよいでしょう。



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2013年2月17日日曜日

趣味の漢方 第7証 気管支炎に飲む漢方



気管支炎にも程度がいろいろありますが、今回紹介するのは比較的軽い症状だけれども慢性化しているものに試してみたい漢方です。西洋薬ではメジコン、ムコソルバン、トランサミン、クラリスなんかを飲んでいる方に選んであげたいですね。

基本は小青竜湯です。がっちりタイプの人には麻杏甘石湯、虚弱タイプの人には麻黄附子細辛湯がオススメです。麻黄附子細辛湯は麻黄含有漢方の中でも最も優しい処方です。1日量で麻黄を4gも含んでいますが飲みやすいです。
女性には小青竜湯の麻黄なしバージョンである苓甘姜味辛夏仁湯です。高齢者には麦門冬湯。お子さんには五虎湯がよいでしょう。

長引くようなら・・・
神秘湯を試します。がっちりタイプの人は麻杏甘石湯に大柴胡湯を追加します。虚弱タイプの人は麻黄附子細辛湯に小柴胡湯をプラスします。女性は苓甘姜味辛夏仁湯に柴胡桂枝乾姜湯を追加します。高齢者は補中益気湯に変えてみましょう。お子さんは五虎湯に小柴胡湯を追加します。

それでもだめなら・・・
柴朴湯か小柴胡湯加桔梗石膏です。

ちなみに、小柴胡湯と補中益気湯は同じ柴胡剤です。小柴胡湯の虚証バージョンが補中益気湯という位置づけです。


鎮咳作用で知られる生薬に杏仁があります。杏仁は杏(あんず)の種の中の仁(たね)です。杏仁含有の漢方は以下のとおり。

麻黄湯

麻杏甘石湯
神秘湯
五虎湯
苓甘姜味辛夏仁湯

麻杏薏甘湯

潤腸湯
清肺湯
麻子仁丸


2013年2月10日日曜日

趣味の漢方 第6証 インフルエンザにも漢方



インフルエンザに漢方って効くの?とお思いの方が多いと思います。
インフルエンザを引き起こすウイルスはなにもここ最近ふっと湧いてきたわけではありません。インフルエンザと人とのかかわりは古く、古代エジプトや古代ギリシアの時代にそのような流行性疾患の記録があるそうです。日本でも、平安時代の「増鏡」にインフルエンザの流行をうかがわせる記述があります。また、江戸時代には、「お駒風」や「谷風」などと名前がつけられた悪性のかぜが流行したそうです。昔の人は漢方を飲んで対処したのでしょう。

漢方にはインフルエンザという概念はありません。急性熱発生疾患の症状が激しいものと考えます。よほど強烈なインフルエンザ以外は漢方単独で対処が可能です。

インフルエンザには麻黄湯です。

がっちりした体格の人から虚弱体質の方まで使用できます。
少し漢方を勉強された人なら虚弱体質の人、いわゆる虚証の方には麻黄含有漢方薬はNGじゃないかと思われるでしょう。しかし、インフルエンザの高熱や関節痛などの強烈な症状は、一時的に実証になっていると考えます。1~2日間で汗が出てくれば快方に向かいます。


汗をかいたら次は竹筎温胆湯(ちくじょうんたんとう)です。

高熱は下がったけれども、微熱や食欲不振、咳が続く場合に飲みます。

長引くようなら、柴胡桂枝湯を使います。

柴胡桂枝湯は基本的に発熱疾患で汗が出たあとに使用します。薬剤師さんにアドバイスしますと、薬局を訪れる風邪薬を希望される患者さんは、熱が引いてからしばらくしてからの方が多いので、そんな患者さんには柴胡桂枝湯をオススメするとよいでしょう。


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2013年2月3日日曜日

趣味の漢方 第5証 かぜには麻黄



かぜには漢方が適しています。一般用医薬品にも様々なカゼに使える漢方が用意されています。ドラッグストアで手軽に購入できます。

カゼかなと思ったらすぐ飲むようにしましょう。漢方でのカゼに対する考え方は初期消火です。西洋薬とはちがい、眠気などは生じることはないので仕事や勉強の効率が落ちることはありません。オススメです。

まずは、麻黄を含んだ漢方を試してみましょう。(女性、高齢者を除く)

基本的には、葛根湯です。体力のある人は麻黄湯。弱った人には麻黄附子細辛湯がいいでしょう。比較的元気なお子さんには麻黄湯がよく効きます。
女性には桂枝湯。高齢者には香蘇散がよいでしょう。

薬を飲み始めると、じわーっと汗をかいてくると思います。漢方用語では微似汗といいます。こうなればカゼもひどくならず治まっていきます。

汗をかかなかったり、汗が出すぎたり、麻黄含有漢方独特のドキドキやムカムカがみられて薬が合わなかったりしたら、

次にこちらを試してみてください。


柴胡桂枝湯です。食欲が無い場合は、桂枝湯と麻黄附子細辛湯。お年寄りは参蘇飲で様子を見ます。

それでも、長引くようなら、

補中益気湯と麻黄附子細辛湯を併せて飲んでみるとよいでしょう。


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