インフルエンザを引き起こすウイルスはなにもここ最近ふっと湧いてきたわけではありません。インフルエンザと人とのかかわりは古く、古代エジプトや古代ギリシアの時代にそのような流行性疾患の記録があるそうです。日本でも、平安時代の「増鏡」にインフルエンザの流行をうかがわせる記述があります。また、江戸時代には、「お駒風」や「谷風」などと名前がつけられた悪性のかぜが流行したそうです。昔の人は漢方を飲んで対処したのでしょう。
漢方にはインフルエンザという概念はありません。急性熱発生疾患の症状が激しいものと考えます。よほど強烈なインフルエンザ以外は漢方単独で対処が可能です。
インフルエンザには麻黄湯です。
がっちりした体格の人から虚弱体質の方まで使用できます。
少し漢方を勉強された人なら虚弱体質の人、いわゆる虚証の方には麻黄含有漢方薬はNGじゃないかと思われるでしょう。しかし、インフルエンザの高熱や関節痛などの強烈な症状は、一時的に実証になっていると考えます。1~2日間で汗が出てくれば快方に向かいます。
汗をかいたら次は竹筎温胆湯(ちくじょうんたんとう)です。
高熱は下がったけれども、微熱や食欲不振、咳が続く場合に飲みます。
長引くようなら、柴胡桂枝湯を使います。
柴胡桂枝湯は基本的に発熱疾患で汗が出たあとに使用します。薬剤師さんにアドバイスしますと、薬局を訪れる風邪薬を希望される患者さんは、熱が引いてからしばらくしてからの方が多いので、そんな患者さんには柴胡桂枝湯をオススメするとよいでしょう。
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