薬を使用して血圧をコントロールしている高血圧患者さんでは、薬をやめてしまえば多くの場合血圧が上昇します。そのため、血圧を下げる治療を続けることが原則です。
しかし、
一部の患者さんでは、お薬を中止することが出来る人もいらっしゃいます。さらに、薬を減らすことが出来る人もかなりの患者さんにいらっしゃいます。
ただし、血圧が極端に低い場合を除いては患者さん自身の判断で薬を勝手に中止、減量してはいけません。また、お薬を中止、減量した場合には血圧の経過観察を行い、血圧の再上昇に注意をはらいます。
では、どのような場合にお医者さんはお薬を減らすことを考慮するのでしょうか。
薬の減量は、家での血圧、家庭血圧が十分に低ければ積極的に試みられます。特に、立ちくらみやめまい、脱力感など血圧が下がり過ぎることで起こるような症状が出た場合は速やかな減量を考慮します。
夏場は血圧が下がりやすい季節なので、薬の量を減らすことがあります。単剤で治療を行っている場合は、半量に減らしたり、2種類の薬を併用している場合は、1種類に減らすなどします。夏場は、汗をかくことが多く体液量が減少するので、利尿薬などは夏場には減量、中止がよく検討されます。
お薬を中止できる条件は?
まず、心臓や腎臓の合併症がないことが前提となります。血圧を下げる薬は、心臓や腎臓の病気の治療のために用いることがしばしばあります。その場合、血圧が下がっていても継続しなくてはなりません。
心臓や腎臓の合併症がなければ、少量の薬で家庭血圧が十分に低ければ、薬の中止が考慮されます。夏場に血圧が下がった場合や、生活習慣の改善で血圧が下がった場合も、中止は可能です。