ほとんどのワクチンが1回接種量1mLで行われていた時代がありました。皮下注射で1mL接種すると当然皮膚の盛り上がりが発生します。その盛り上がりを散らす目的で局所を強く揉んでいました。
最近ではワクチンの接種量は0.25~0.5mLに改められました。また、ワクチンの品質が格段に向上している現在において注射局所を揉みほぐす必要はなくなりました。特に沈降ワクチンは、接種箇所の組織にとどまっておかなければならず、揉むことで抗原が拡散してしまいます。遅延型アレルギー反応が起きた場合発赤や腫れなどの炎症反応が拡大することになります。
また、赤ちゃんは皮膚や筋肉組織が大人ほどしっかりしていないため脆く、揉むという乱暴な物理的刺激によって障害が起きる恐れがあります。そのため注射箇所を揉むことは百害あって一利なしです。
槙孝子
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